とある会話です。
店員:You alright?
客:Uh… Do I look sick?
店員:I like your trainers, by the way.
客:My trainers?? Well, I like your pants.
店員:You like my…?!
どうやら会話がうまくかみ合っていないようです。店員は普通に話しかけているようですが、客は戸惑っているようです。後半は逆に、客の言葉に店員が驚いているようですね。どうしてこのようなことが起こっているのでしょうか?
別の例を見てみましょう。
訪問者:Excuse me, where is the conference room?
受付:It’s on the first floor, just above the lobby.
訪問者:I am on the first floor and I can’t find any room here…
さらに、このようなやり取りもあります。
訪問者:On which floor is the cafeteria?
受付:It’s on the eleventh floor. You can take the lift.
訪問者:Take the what??
これもどこか話がかみ合っていないようです。
実は、これらはアメリカ人とイギリス人の間で行われている会話という設定です。アメリカ英語とイギリス英語の表現の違いから誤解や食い違いが起こっていたのです。
最初の店員と客の会話はこうです。
店員(英):こんにちは。(よく使われるカジュアルな挨拶)
客(米):えっと… 具合が悪そうに見えますか?
店員(英):ところで、あなたのスニーカーいいですね。
客(米):私の指導者? ええと、私はあなたのパンツ好きですよ。
店員(英):私の(下着)?!?!
イギリスではカジュアルな挨拶として「やあ!」「元気?」くらいの意味でYou alright? がよく使われます。
また、trainerはアメリカ英語では「指導者、トレーナー」を意味しますが、イギリス英語では複数形のtrainersで「スニーカー」という意味になります。
さらに、pantsはアメリカ英語では「(洋服の)パンツ」を指しますが、イギリス英語では「(下着の)パンツ」を指します。
ちなみに余談ですが、日本でも有名な某イギリス映画のとあるシーンで、セリフに出てきたpantsに「ズボン」という字幕がつけられていて、笑いどころがなくなってしまっていたことがありました。
さて、次の訪問者と受付の会話はこうです。
訪問者(米):会議室はどこですか?
受付係(英):first floorです。ロビーのすぐ上の階です。
訪問者(米):え? 私はまさにそのfirst floorにいるのに、部屋なんて見当たりませんが…。
イギリスでは階数の数え方が異なります。
1階は「地上階」ということでground floor(フロア案内ではGの表記)と言い、
その1つ上がfirst floor、以降second floor、third floor… と続きます。
受付係は会議室が日本で言う2階にあると言っていたのですが、訪問者は1階だと勘違いしたのですね。
次のカフェテリアの会話はこうです。
訪問者(米):カフェテリアは何階ですか?
受付係(英):(いわゆる12階を指して)11階です。エレベーターがありますよ。
訪問者(米):何に乗るって?(リフト?)
「エレベーター」はアメリカ英語ではelevatorですが、イギリス英語ではliftが一般的です。
また、liftには「車などで送ること」という意味もあり、
I’ll give you a lift. と言えば、「車で送ってあげるよ」という意味になります。
「リフトをあげるよ」ではないのでご安心を。
このような違いは他にもたくさんあります。
共通テストでもアメリカ英語以外の英語が扱われており、スペルや発音の違いなども身近に感じるようになってきたかもしれません。
しかし、それぞれの違いは奥深く、もっといろいろとご紹介したいところですが、現在の学校教育としての英語ではまだそこまでの需要はなさそうです。
ただ、言語というのはその国の歴史であり文化ですから、その国に敬意を払うという意味でも、
興味を持ち目を向けることが大事であり、それによって英語がより興味深いものだと感じるようになると思います。
機会があれば、さらに深掘りしたいと思います。