こんにちは、エデュ・プラニング国語課です。このブログでは、国語課のメンバーが業務の中で気づいたことや、国語について考える中で気になったことについて、発信していきます。
今回は、令和6年度から使用される小学校の教科書についてです。教科書の改訂は通常4年ごとに行われるもので、今回の改訂は学習指導要領の変更を伴わない、いわゆる「小改訂」と呼ばれるものです。そのため、全面的な刷新が行われるわけではありませんが、前回の改訂から4年経っているので、最新の情報への更新、新しく発生したニーズへの対応、学校の先生方の意見の反映などもあり、大きな改訂が行われる教科もあります。
国語の新教科書については、光村図書、東京書籍、教育出版の三社がWEBページ上に紹介のための特設ページを作成しています。今回のブログでは、この特設ページからうかがえる、改訂のポイントについて考えてみようと思います。
〇学習の意義や進め方が明確に
どの教科書会社も、学ぶ内容や身につけるべき内容を見わたすための導入を丁寧に行っています。光村図書は、巻頭に国語を学ぶ意義を掲載したうえで、一年間でどのようなことを学ぶのかということや、学習や生活の中でどのように学んでいくかということをわかりやすく示しています。教育出版も、一年間の学習の見通しを巻頭に示したうえで、単元扉で学習のめあてを示しています。東京書籍は各単元のはじめに、その単元のめあてや学びの進め方を見開きで示しています。
〇「情報を扱う」能力の重視
学修指導要領の中で、「知識及び技能」に分類されている項目の中でも「情報の扱い方に関する事項」についての学習内容が大きく見直されているようです。情報化が進む現代社会で、多くの情報にさらされる子どもたちが正しく情報を受け取り、自分の考えを形作ることに役立てるには、国語の力が必要になります。そのため、どの教科書会社も「情報の扱い方」を学ぶためのページを新設しています。
特に東京書籍では「読む(説明文)」と「書く」の単元と連携して、「情報の扱い方」を学ぶを活用した読み書きが学習できるように、単元配列を変更しています。光村図書では、巻末で図を使った考え方を紹介し、情報を整理する方法や整理した情報を伝える方法を確かめることができるようになっています。
改訂によって漢字の学習順や掲載される文章が変わり、テストや参考書の内容が変わることに目が向きがちです。
しかし、改訂に向けた各社の制作意図を見ると、これからの社会を担う子どもたちに、どのような力をつけてほしいと思っているかが読み取れます。表面的な変更をなぞるだけではなく、改訂の意図を読み取って、教材の作成・編集にのぞみたいと思います。
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