エデュ・プラニング社会課です。
2026年1月に実施された大学入学共通テスト(以下「共通テスト」)の世界史探究に、池田理代子先生のマンガ『ベルサイユのばら』が登場して話題になりました。
「バスティーユへ!」というオスカルのセリフからその時期などを判別する、フランス革命に関する問題の題材でした。
センター試験の時代から、特に地歴公民では、マンガやアニメ、メディア作品のキャラが登場することは珍しくありません。
ここ10年以内の著名な作品を扱ったものに限っても、以下のような事例があります。
・2026年 世界史探究 『ベルサイユのばら』
・2025年 日本史探究 『いじわるばあさん』
・2018年 地理B 『ムーミン』
・2017年 日本史A 『妖怪ウォッチ』
これ以前にも、手塚治虫先生のマンガや、映画『ゴジラ』が扱われたこともあります。
(そもそもゴジラは、アメリカによる1954年のビキニ水爆実験を受けて誕生した、地歴公民と関わりの深い存在です。)
なぜ、入試問題でマンガなどの身近な視覚素材が扱われるのか。憶測が入りますが、以下のような答えが考えられそうです。
- 前提として、思考力を問うための初見資料として、さまざまな資料の活用が模索されている。
- 文字では伝わりにくい情報を持つ視覚資料として風刺画が好んで使われるが、数に限りがあるため、対策されやすい。
- マンガは文字情報と視覚情報をあわせ持つうえに、数が多く対策されづらいため、使い勝手がよいのではないか。
- 日常と学問はつながっているというメッセージがあるのではないか。日頃からの情報を読み解く習慣が、学ぶ姿勢につながる。
特に4点目については、共通テストの風変わりな出題が報道され、拡散されることも計算のうちなのではないか、
未来の受験生やその保護者といった幅広い世代にメッセージが届くことも期待されているのではないか、と想像できます。
しかし、民間企業において、マンガのような珍しい素材を利用するには、大きな障壁があります。
それは、「著作権」です。
写真の場合、その多くはフォトライブラリからレンタルできますが、メディア作品は事情が異なります。
以下のようなパターンで、利用を諦めることが珍しくありません。
- 権利者や出版社が多忙であったり、権利を引き継いだ子孫の方などを探すのに難航したりして、期限内に許諾が得られない。
- 利用申請をすると、「改変不可」「Web媒体利用不可」などの条件を提示され、想定していた利用ができない。
- 高額な利用料の支払いを求められ、予算に合わない。
入試の過去問集などで「著作権の都合により掲載を見合わせ〜」といったページが発生するのも、同様の理由によるものです。
なお、共通テストなどの公的な試験問題や、学校の授業での利用であれば、原則として許諾不要で著作物の利用が可能です。
もしこのブログをお読みの学校の先生がいらっしゃったら、授業でマンガを用いることで、生徒の興味や関心を刺激することができるかもしれません。