エデュ・プラニング社会課です。
元日が近づいてきましたので、入試問題でリード文のテーマとして扱われることもある、祝日(休日)の話をしてみようと思います。
日本には年間16日の「国民の祝日」があります。実は、これは先進諸国の中では多い方です。
アメリカでは、国として祝日を定めていても、州の判断により休日とされない日があります。
その場合の祝日は、ほぼ連邦政府職員(国家公務員)だけの休日となり、民間企業や交通機関は平日扱いなのだそうです。
日本に祝日が多い理由には、皇室の祭祀が多いことがあげられそうです。
祝日を「祝祭日」と表現するのを聞いたことがあるかもしれませんが、これは1947年以前の表現です。
かつて、皇室が国家的祭祀を行う日を「祭日」としていましたが、現在では「祝日」に含まれています。
このように、祝日にも歴史があります。
「建国記念の日」(2月11日)は、もとは「紀元節」といい、神話上の初代天皇である神武天皇の即位日として、明治時代に定められました。
なぜ2月11日という日付か、疑問に思いませんか?
実はこれ、『日本書紀』では1月1日だったのです。
紀元節制定の直前、太陰暦(太陰太陽暦、旧暦)から、現在の暦である太陽暦への変更が行われました。
1873年、明治5年12月3日が、突如として明治6年(皇紀2533年)1月1日に改められました。
その改暦も踏まえて、旧暦の1月1日が新暦の2月11日に相当するとされたのです。
「勤労感謝の日」(11月23日)も皇室行事に由来します。
その年に収穫された新穀などを神に供えて感謝する「新嘗祭」で、古墳時代に始まっています。
また、歴代の天皇誕生日も、祝日になっていることがあります。
「昭和の日」(4月29日)は、昭和天皇の誕生日に由来し、
戦前の「天長節」から、「天皇誕生日」と「みどりの日」を経て、2007年に「昭和の日」になりました。
「文化の日」(11月3日)は、明治天皇の誕生日である明治節に由来しますが、
1946年に日本国憲法が公布されると「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」という意味も加えられました。
ちなみに、令和における「天皇誕生日」は2月23日です。
今回取り上げていない祝日にも、さまざまな由来があります。
祝日には単なる休み以上の意味があります。歴史や文化を学ぶきっかけとして、
祝日には、その由来を調べてみるのも面白いかもしれません。