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理科だけ勉強すれば楽勝?

エデュ・プラニングの理科課です。

今回は理科の県立高校入試について,「文章を読む力(読解力)」という観点から分析します。
理科は文系科目と比較すると,文章を読む力との結びつきが弱い教科と思われがちですが,理科でも文章を読む力が非常に重要です。

その根拠として,県立高校入試における理科問題の文字数を見てみましょう。

県によってばらつきはありますが,おおよそ7,000~10,000文字です。中には鳥取県のように,14,000文字を超える県もあります。では,7,000~10,000文字とはどのくらいの量なのでしょうか。

イメージがわきやすいように有名な文学作品を挙げてみると,太宰治の「羅生門」が約6,000文字,「走れメロス」が約10,000文字です。単純に文字数だけでいうならば,入試問題を読んでいる間に,下人は老婆の服を剥ぎ,メロスは走り終わっています。
そういわれると,文章を読む力が必要だと思えてきませんか。

文字数に限らずとも,近年の入試では「読んで解かせる」問題が出題される傾向があります。
教科書では見たことのない題材でも,文章を読み,今まで学習した内容を応用すれば解ける!というような問題は多くの県で出題されており,文章を読む力がないと解けなくなっています。

一方,現在の中高生の文章を読む力はどのようになっているのでしょうか。
実は,中高生の文章を読む力は年々低下傾向にあります。
OECD(経済協力開発機構)が3年に1度実施している,15歳を対象とした国際的な学習到達度に関するPISA調査によると,日本の生徒の読解力は2015年から2018年の間に有意に低下しています。
読解力が低下している原因については,様々な理由が考えられるため,この場では割愛させていただきます。詳細が気になる方は「PISA」で検索してみてください。

では,そもそも読解力とは何なのでしょうか。PISAでは,読解力を以下の3つの観点から測定しています。

①情報を探し出す
 ・テキスト中の情報にアクセスし,取り出す
 ・関連するテキストを探索し,選び出す

②理解する
 ・字句の意味を理解する
 ・統合し,推論を創出する

③評価し,熟考する
 ・質と信憑性を評価する
 ・内容と形式について熟考する
 ・矛盾を見つけて対処する

どれも理科と関係がありそうな能力といえます。
①は実験や観察のデータからの読み取りの問題,②は実験や観察の結果をもとに考察する問題にあてはまります。③は誤答の混ざった選択肢から正しいものを選び出す選択問題のようだと思いませんか。

「読解力」というと文系科目にのみ必要な能力のように思われがちですが,すべての学問において基礎となるのが読解力です。

このように現代の学生は,専門的な知識の習得だけではなく,文章を読む力のような総合的な能力の向上を求められているといえるのではないのでしょうか。

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