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地歴公民 の 科目選択 、 新旧比較

エデュ・プラニング社会課です。

歴史総合や公共などの新科目を含む新課程大学入試は、今年で2回目を迎えました。

地歴公民は多くの選択科目からなりますが、旧課程時代と比べて選択傾向は変わったのでしょうか。

 

この変化を、大学入試センターが公表している共通テストのデータから語ることができます。

以下の数値は、令和6年(旧課程最終年)と令和8年の受験者数を、弊社で独自に集計・解釈したものです。

先に結論を述べると、旧課程からの変化として

・【地理・歴史】日本史の減少(約9300人)、世界史の微増(約1600人)、地理の微増(約4200人)

・【公民】倫理の大幅な減少(約31000人)、政経の大幅な増加(約60000人)

という特徴が見られます。

 

まず、地理・歴史科で日本史の受験者数が減少した点について、その要因を見てみましょう。

これは歴史総合(近現代の世界史と日本史をあわせた科目)が新設された影響が大きいと考えられます。

世界史の中に日本史が一部含まれることも考えると、歴史総合の7〜8割が世界史の学習範囲と重なります。

日本史の中にも世界史が一部含まれますが、歴史総合の5割程度しか日本史とは重ならないでしょう。

(合計が10割を超えるのは、歴史総合の中に世界史・日本史の双方に関わる内容が含まれるためです。)

新課程が発表されたとき、指導現場には不安が渦巻きました。

それは、歴史総合が入試でどう扱われるか、日本史履修者にどこまで世界史を教えればいいのか、という不安です。

このことから、一部の進学校では、日本史の履修を避けさせ、世界史や地理の履修に誘導したようです。

 

しかし、そもそも日本史人気・世界史不人気という大きな偏りがあります。

共通テストでの日本史:世界史の選択率は、旧課程で約63:37、今年は約61:39。

大きく見れば、軽微な変化かもしれません。今後の動向にも注目したいところです。

 

次に、公民科で倫理が大幅に減少し、政治・経済が大幅に増加した点について、その要因を見てみましょう。

その要因は、旧試験科目「倫理、政治・経済」の廃止です。

かつて現代社会という2単位科目が手軽な試験科目として人気でしたが、

2単位科目を世界史Bや日本史Bなどの4単位科目と対等に扱うことに不公平感が強まり、

東大などの受験に公民科目を用いる場合は、2単位科目2つからなる「倫理、政治・経済」が必要になりました。

難関国公立受験者は、政治・経済と同時に倫理も学ぶ形となり、“倫理離れ”に歯止めがかけられていたのです。

 

しかし新課程の公民は「倫理、政治・経済」が廃止され、「公共、倫理」と「公共、政治・経済」に再編されました。

公共の学習範囲の8割が政治・経済の学習範囲に重なり、倫理分野は全体の2割程度です。

さらに、個別試験を政治・経済で受験できる大学は存在しますが、倫理で受験できる大学は非常に稀です。

また、倫理を教えられる教員が少なく、開講されていない高校もあります。

その結果、「公共、倫理」の受験者が約3.1万人、「公共、政治・経済」の受験者が約14.3万人と、大きな差がつきました。

 

なお、地歴公民科で最大受験者数の試験科目は、「地理総合、地理探究」と「公共、政治・経済」が競っています。

「地理総合、地理探究」は、暗記量が少なく、理系国公立大志望者に人気です。

「公共、政治・経済」は、文系国公立大志望者が選ぶ地歴公民の2科目目として人気です。

 

受験者の属性が異なるにもかかわらず、ほぼ同数の受験者を集める両者。この勝負の行方にも注目です。

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