2026年度の大学入学共通テストでは、理科科目の中でも物理が前年に比べて大きく難化し、
逆に化学は相対的に易化したという顕著な傾向が確認されています。実際の平均点を比較すると、
物理の平均点は2025年の約58.96点から2026年は約45.55点へと大幅に低下し、過去最低となりました。
一方で化学は過去最低だった2025年が45.34点だったのに対し、2026年は約56.85点まで上昇しています。
ここでは、なぜこのような差が生じたのかを整理して、次年度受験生には今後の対策についても述べたいと思います。
〇2026年物理の難化要因
2026年の物理は、従来型の公式適用問題に加えて、状況設定の理解を前提とする思考過程重視の設問が目立ったように思われます。
得点率の低下は計算量の増加というより、問題構造の変化によるものと考えられます。
特徴的なのは、複数の物理法則を組み合わせて解釈する設問が増えた点です。
現象の条件整理、概念の選択、計算という段階的思考を必要とする問題が多く、
受験生にとっては時間配分が難しかったと思われます。
さらに、日常現象をモデル化した問題や装置の仕組みを理解させる問題が含まれ、
単純な知識だけでは対応しにくい構成となっていました。
試験全体の得点率が落ちた背景として、こうした構造的に解くのが難しい問題が存在したことが挙げられます。
〇2026年化学の易化要因
一方、化学は2025年度と比べて取り組みやすい出題となりました。
最大の要因として挙げられるのが、出題形式の変化です。
例年の共通テストでは、実験結果の考察や探究活動の過程を追わせる形式の問題が一定の割合で出題されてきました。
しかし、2026年はこうした実験・探究活動を中心テーマとする大問が見られず、教科書知識と標準的計算を組み合わせた設問が中心となっていました。
この変化により、解答方針を自ら構築する負担が減少し、既習の解法パターンを適用しやすい構成となりました。
すなわち、思考過程を探索させる問題から、知識理解を確認する問題へと比重が移ったことが、
得点率の上昇につながったと考えられます。
また、計算問題も典型的な形式が多く、条件整理の難度が比較的低かったといえます。
結果として、基礎理解が定着している受験生ほど安定して得点できる試験となり、平均点上昇という形で易化が表れたと思われます。
まとめと今後の対策
2026年度の共通テストにおける物理は、設問構造の複雑化や思考力重視の出題が全体の難化を後押しし、平均点の低下に直結しました。
一方、化学は基礎的・標準的な出題を中心として、平均点が上がる形となりました。
次年度の展望(来年の受験生に向けて)ですが、今年の物理…思考力、化学…典型問題といった傾向が維持されるかはかなり不確定ではあるものの、共通テストの方向性として、公式の暗記・活用から思考力を問う問題へ変化していると考えられます。
来年の受験生に向けての学習アドバイスとしては、基本定理の理解と典型問題の演習に加えて、思考プロセスの演習を行うことが必要と考えます。
これらを参考にして、是非とも頑張ってください!