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正しいのに通じない? 教科書英語とリアル英語のギャップ

英語を勉強していると、必ず一度は「教科書で習ったのに、実際にはあまり通じない」と感じる瞬間があります。

文法的には正しいのに、ネイティブが使うと違和感がある。そんなギャップはなぜ生まれるのでしょうか。

今日はその典型的な例をいくつか紹介しつつ、

最後に私たち学習者がどんな意識を持って勉強すればいいのかを考えてみたいと思います。

 

定番の挨拶 “I’m fine, thank you. And you?”

多くの日本人が最初に覚えるであろうこのフレーズ。

ところが実際のアメリカやイギリスでの会話では、まず耳にしません。

形式的すぎて「教科書英語だな」と感じられてしまうのです。

実際には “I’m good.” “Not bad.” “Pretty well.” といった返答が自然で、その後に “How about you?” を添えるのが一般的。

ネイティブからすると、“I’m fine, thank you.” はやや古風で、子どもが暗唱するイメージさえあります。

 

Pleaseがついていても使わない“Sit down, please.”

これもよく耳にする定番表現ですね。教科書というよりも英語の先生が使うイメージです。

この表現、pleaseがついていてもかなり強い表現です。

先生と生徒という関係性であっても強い命令口調となってしまいます。

命令形のSit downが先に来るからですね。

もちろん日常会話において使うことはほとんどないといってよいでしょう。

代わりの表現は“Have a seat.”、もしくはPleaseを先に持ってきて、“Please sit down.”などです。

 

聞き返しに使う “Pardon?”

かつて日本の教科書でよく出てきた表現です。

しかし、実際に日常会話で “Pardon?” を使うと、相手によっては「え、そんなにかしこまらなくても…」と思われることも。

現代では “Sorry?” “What?” “Huh?” のように、もっとシンプルで砕けた言い方が主流です。

もちろん場面によって “Excuse me?” などを使うこともありますが、少なくとも“Pardon?” が万能というわけではありません。

また、アメリカ英語とイギリス英語での使い方でも差があるようです。

 

実はあまり使われない “Good bye”

教科書の最後に出てくる「さようなら」といえば “Good bye.” ですよね。

ところが、これも日常会話ではほとんど使われません。

理由は簡単で、“Good bye” には「長い別れ」「もうしばらく会わない」といったニュアンスがあるからです。

少しかしこまっていて、場合によってはドラマチックに響くことすらあります。

実際の会話では “See you.” “See you later.” “Take care.” “Bye.” の方が圧倒的に使われます。

友達同士なら “Later!” や “Catch you later!” なんてカジュアルな言い方も多いです。

つまり、“Good bye” は決して間違いではないけれど、「普段はあまり言わない英語」の代表格なんです。

 

文法的には正しいのに「変」に聞こえる例

英語の面白いところは、文法的に正しくても「響き」に違和感が出てしまうこと。

例えば形容詞の並べ方です。

日本語では「古くて大きな茶色いボール」と自由に順番を変えられますが、

英語には「意見→大きさ→年齢→色→素材」といった語順の暗黙のルールがあります。

教科書的に “The old big brown ball …” と並べても、ネイティブには「何か引っかかる」と感じられる。

言葉そのものよりも「自然な並び」を重視するのが英語の特徴です。

ただし、ネイティブによっては直感的に使っているとの意見もあるようです。

 

これらはほんの一部で、まだまだ違和感を覚えるような表現はいっぱいあります。

では、英語学習者はどのような点を意識して勉強すればいいのでしょうか。

 

1.教科書=土台、リアルな英語=応用と割り切る

まず、大前提として、教科書英語は「間違ってはいない」し「基礎力を育てる」うえで欠かせません。

でも、それだけで会話に飛び込むと“浮いてしまう”ことがあるんです。

ですから、学習者は「教科書=文法と基礎」「リアルな英語=運用力」と役割を分けて考えるのが大切です。

 

2.ネイティブが実際に使う言葉に触れる

自然な表現を学ぶには、ネイティブが日常的に使っている素材に触れるのが一番です。

最近ではYoutubeやPodcast、SNSなど、インターネットを使えばリアルな英語に触れることができます。

「これって教科書と違う!」と気づいた瞬間を大事にしましょう。それが自然な英語の感覚を掴む第一歩です。

 

3.「完璧」より「自然さ」を意識する

最後に大事なのは心構えです。「文法的に正しいか?」を気にするあまり、会話がぎこちなくなってしまうことってよくあります。

ネイティブは多少の文法ミスよりも、「自然に聞こえるか」「相手に伝わるか」を大事にします。

だからこそ、完璧な正しさを追うより、自然さを優先する意識が学習者には必要です。

 

教科書の英語は、いわば「基礎体力トレーニング」です。

そこから一歩進んで、リアルな英語に触れ、声に出し、自然さを意識していくこと。

その積み重ねが、「正しいけど不自然」から「自然で伝わる英語」へとステップアップする鍵になります。

 

 

学校では習うけどネイティブの日常の会話では意外と使わない言葉 | POC English Lab

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